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The Anatomy of a Suit

・・・なぜスーツ?

スーツには着る人をきわだたせるための
様々な工夫が・・・。
隠された秘密を解くためには、
スーツを解剖する必要があります。

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現代のスーツ・スタイルは様々な国の文化から生まれた独自のスタイルがそれぞれ影響をもたらしながら少しづつ変化をし完成させてきました。しかしその源となるのが英国・ロンドンのサビル・ロー通りにあるテーラーたちであることはよく知られています。18世紀、当時の貴族や高級士官たちは「男らしさをきわだたせるスタイル」を好み、テーラーは全ての顧客をスポーツマン体型に見えるように裁断や縫製の技術、副素材の選択にこだわることになりました。これら技法が現在でもスーツづくりのベースになっています。


上の3分間程度にまとめられた英国・ロンドン博物館製作のビデオは「スーツが(他の衣服に比べ)独自のものにしているもの」をわかりやすく解説しています。 ご紹介いたします。( 以下は、簡単な訳です。)

スーツと聞いて、あなたは何を思い浮かべますか? 三つ揃い? ツーピーツ? 正装? それともビジネスなどにおける勝負服でしょうか。男性用?、女性用?、それとも子供服でしょうか?

スーツはロンドンに始まり、数世紀の間に大きく進歩をとげ、世界中で着用されるようになりました。無数の色、織、柄、その組み合わせで仕立てられるスーツは、品格(Elegance)、儀礼(Formality)、経験(Experience)、協調(Conformity)、統制(Control)などを表す強力なアイコンとなりました。

しかし、どうして衣服の一形態であるスーツがこれほどの意味を持つに至ったのでしょうか?

それはスーツが、優れたデザイン性と工学的機能によって、一人一人の体型を変えて見せることができる衣服だからです。

女性ファッションの歴史においては、体型を変える工夫として、コルセットやハイヒール、あるいは“ワンダーブラ”(ワイヤー入りブラジャー)など、多くの例が見られます。しかし紳士服においては、「整形」はなるべく分からないように、目立たないようにすることが求められてきました。そのためスーツの秘密は内側に隠されてしまい、スーツというものが、いかに「高度な技術によって作られた衣服」であるかをほとんどの人は知りません。

そこで、スーツの隠れた秘密を解くために、スーツを解剖してみることにしましょう!

スーツの最上部は肩です。まっすぐそして広がりのある自然な形状を与えるために肩部分は重層構造になっており、この部分をショルダーパット(肩台)と呼びます。ショルダーパットはウール、綿、馬の毛など、さまざまな素材によって作られます。ショルダーパットは、シルエットの見た目を形作るだけでなく、ジャケットのラインを崩さずに肩と腕の付け根部分を柔軟に動かすための機能を持っています。

チェスト(胸)部分はフローティング・チェスト・ピース(増芯)と呼ばれるレイヤー構造からなり、滑らかでフラットな印象を与えます。やや固めのレイヤーは胸と輪郭のラインを滑らかにするため、ショルダーパットからフロントのヘムへと伸びています。スーツの全体的に似通ったシルエットにおいて、変化を持たせるための重要な部分と言えます。フローティングチェストの外側のレイヤーは、ウエストのくぼみを形成します。さらにポケットやポケットフラップの位置は、腰骨を考慮して決められており、内側に芯を入れることによって理想的な形状をつくります。

ジャケットの中心に位置するカラー(襟)はネクタイ、首、顔を引き立てる役目を果たします。上質なスーツの襟は手縫いが多く、よく調べてみると、襟のラインをパリっと綺麗に保つために、綾織り状の手縫いステッチ(ハ刺し)が施されています。

最終的にさまざまなパーツが上手く組み合わされて、スーツが完成します。これらのすばらしい進歩、デザイン、製造が、まさにここロンドンで行われているのです。